第49期新人王戦(出口若武三段のこと)
いよいよ、今日から、藤井聡太七段と出口若武三段の第49期新人王戦決勝三番勝負が始まります。
【三番勝負の日程】
第一局 10月10日(水)
第二局 10月17日(水)
第三局 10月29日(月)
何れの対局も、朝10時から、関西将棋会館で行われます。
対局の模様は、何れの対局も(多分?)インターネットで配信されますので、興味津津ですね。
【インターネット配信】
・携帯中継 ※有料
ここで、新人王戦について、お浚いしておきましょう。
日本将棋連盟のHPの棋戦概要によりますと、つぎのとおりです。(以下、引用です。)
【参加定員・資格】
1.26歳以下(10月1日現在)
2.六段以下(タイトル戦経験者は除く)
3.成績選抜の女流枠(ただし、26歳以下)4名
4.赤旗名人戦優勝者(赤旗名人)
5.前期三段リーグ成績上位者(※定員40名から前述の1~4の合計人数を引いた人数が参加)
【持ち時間】
本戦:3時間
さて、ここで気になるのが、新人王戦の参加資格です。
出口三段は、上記参加資格の5番に該当しますので問題ありませんが、藤井聡太七段が参加資格を満たすのか気になります。
上記の参加資格2番には六段以下と定められているので、七段でも問題ないのかが、気になるのです。
いえいえ、これは問題ないのです。と言いますのは・・・、
トーナメント表が作成された昨年10月1日の時点で、藤井聡太さんはまだ四段だったので参加資格があるのです。
そのため、来期、第50期新人王戦は参加資格がなくなりますので、新人王戦は今回が最期の参加となります。
さてさて、藤井聡太七段は初対局から29連勝するなど、これまで大活躍でしたので今回ご紹介は省略させていただきます。
出口若武三段については、私棋楽を含め知らない方が沢山いらっしゃるかと思いますので、ちょっと調べてみました。
さて、まず、お名前なんですが出口若武(でぐちわかむ)とお読みするようです。
出身地は兵庫県で、師匠は日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段です。
三段リーグの履歴を見ての第一印象は、やはり随分と苦労されているなと言う印象です。
三段リーグ初には17歳で初参加ですから、ここまでは結構順調かなと思いますが、あと一歩のところで苦労されているようです。
昇段のチャンス、これまで6回ありました。
第1回目、第55期三段リーグでは、9勝4敗でチャンスはあったかと思いますが、そこから4連敗で脱落。
第2回目、第56期三段リーグでは、最終12勝6敗の好成績でしたが、上位に逃げ切られたと言う印象です。
何より不運だったのは、青嶋未来(五段が)最終16勝2敗の驚異的な成績でしたので、これは不運としか言いようがありません。
第3回目、第57期三段リーグは、順位3位からのスタートで、8勝3敗と好調でしたが、後半失速で脱落。
第4回目、第59期三段リーグは、第7戦目の藤井聡太三段に勝っていれば、最終13勝5敗の順位1位で昇段していました。
逆に藤井聡太三段は、最終12勝6敗で大橋貴洸三段と同成績となり、順位の関係で頭ハネとなり昇段できなかったのです。
第5回目、第60期三段リーグも残念な結果となりました。5勝2敗で迎えた第8戦目(3勝4敗の)杉本三段に敗れて以降4連敗で失速。
この一番に勝っていれば、最終12勝6敗で昇段でした。一方の杉本三段はこの一勝が大きく、最終12勝6敗で昇段しました。
第6回目、第63期三段リーグ、序盤3勝3敗から6連勝で昇段候補となりましたが、またも後半で失速、脱落。
何とも歯がゆい成績です。
三段リーグを突破するのに、佐藤天彦先生は8期かかりましたが、名人まで上り詰めました。
また、木村一基先生は13期かかりましたが、A級八段(現在は九段)まで辿り着き、いまもB級1組で、A級復帰を狙っています。
新人王戦の戦歴を見ましても、やはり一年ずつ着実に力を蓄えてきたようにも思えます。
今回の(新人王戦)三番勝負では、是非、第59期三段リーグの悔しさをバネに、あと一歩飛躍して欲しいものです。
藤井聡太七段だけではなく、出口若武三段にも、みなさん、是非たくさん応援してくださいね。
最期になりましたが、(日本将棋連盟のHP等をもとに、)出口若武三段の資料を整理してみましたので、参考にしてくださいね。
棋士データベース
出口 若武 三段
年 齢 23歳(1995年04月28日生まれ)
出身地 兵庫県
師 匠 井上 慶太 九段
昇段履歴
平成19年(2007年)09月 6級(奨励会入会)
平成23年(2011年)11月 初段
平成24年(2012年)12月 二段
平成25年(2013年)03月 三段
三段リーグでの戦績
注)丸数字は、リーグ開始時点の順位。
注)勝敗は、リーグ戦の最終成績。
注)名前右の括弧内の数字は年齢。
第53回(2013年、前期)
⑤ 15勝 3敗 石井健太郎(20)
㉛ 14勝 4敗 三枚堂達也(19)
㉟ 7勝11敗 出口 若武(17)
第54回(2013年、後期)
② 13勝 5敗 星野 良生(25)
⑨ 13勝 5敗 宮本 広志(27)
㉘ 9勝 9敗 出口 若武(18)
第55回(2014年、前期)
⑤ 13勝 5敗 増田 康宏(16)
⑨ 13勝 5敗 黒沢 玲生(22)
㉑ 10勝 8敗 出口 若武(18)
第56回(2014年、後期)
⑤ 16勝 2敗 青嶋 未来(19)
⑧ 13勝 5敗 梶原 宏孝(19)
⑫ 12勝 6敗 出口 若武(19)
第57回(2015年、前期)
② 13勝 5敗 高野 智史(21)
④ 13勝 5敗 近藤 誠也(18)
③ 10勝 8敗 出口 若武(19)
第58回(2015年、後期)
⑰ 14勝 4敗 都成 竜馬(25)
⑧ 12勝 6敗 井出 隼平(24)
⑫ 8勝10敗 出口 若武(20)
第59回(2016年、前期)
㉗ 13勝 5敗 藤井 聡太(13)
① 12勝 6敗 大橋 貴洸(23)
⑮ 12勝 6敗 出口 若武(20)
第60回(2016年、後期)
⑥ 15勝 3敗 西田 拓也(25)
③ 12勝 6敗 杉本 和陽(25)
④ 11勝 7敗 出口 若武(21)
第61回(2017年、前期)
⑨ 14勝 4敗 斎藤明日斗(18)
④ 12勝 6敗 古森 悠太(21)
③ 10勝 8敗 出口 若武(21)
第62回(2017年、後期)
④ 14勝 4敗 長谷部浩平(23)
⑥ 14勝 4敗 池永 天志(24)
⑨ 9勝 9敗 出口 若武(22)
第63回(2018年、前期)
㉕ 15勝 3敗 本田 奎(20)
⑦ 13勝 5敗 山本 博志(21)
⑭ 11勝 7敗 出口 若武(22)
第64回(2018年、後期)
③ 2勝 0敗 黒田 尭之(22)
④ 2勝 0敗 井田 明宏(21)
⑩ 2勝 0敗 出口 若武(23)
新人王戦での戦績
第46期(2015年)
1回戦 ● 池永 天志三段
第47期(2016年)
1回戦 ○ 富田 誠也三段
2回戦 ● 千田 翔太五段
第48期(2017年)
1回戦 ○ 黒田 尭之三段
2回戦 ● 斎藤慎太郎六段
第49期(2018年)
1回戦 ○ 富田 誠也三段
2回戦 ○ 澤田 真吾六段
3回戦 ○ 井出 隼平四段
4回戦 ○ 甲斐 日向三段
準決勝 ○ 梶原 宏孝四段
(以下、決勝三番勝負)
決勝1 藤井 聡太七段
決勝2 藤井 聡太七段
決勝3 藤井 聡太七段