名人A級棋士の三段リーグ在籍期間
厳しいと言われている奨励会、新・三段リーグ制度について、興味をもちましたので、色々な角度から調べてみます。
まずは、トップ棋士の三段リーグ在籍期間について、調べてみます。
トップ棋士の定義ですが、ここでは、名人、順位戦A級在籍者および(超・人気棋士)藤井聡太七段とします。
調査対象者(12名)と調査結果は、つぎのとおりでした。
目次
三段リーグ在籍期間
1.名人
佐藤 天彦 名人(8期)
2.順位戦A級在籍者
①位 羽生 善治 竜王(--)
②位 稲葉 陽 八段(6期)
③位 広瀬 章人 八段(5期)
④位 佐藤 康光 九段(--)
⑤位 久保 利明 王将(2期)
⑥位 豊島 将之 2冠(5期)
⑦位 深浦 康市 九段(5期)
⑧位 三浦 弘行 九段(3期)
⑨位 糸谷 哲郎 八段(3期)
⑩位 阿久津主税 八段(2期)
3.超・人気棋士
藤井 聡太 七段(1期)
ちょっと意外だったのは、調査対象者のなかでは、佐藤天彦名人が三段リーグを突破するのに4年8回と、一番苦労していたことです。
三段リーグは、通常、13勝5敗の成績であれば、かなり高い確率で突破できます。
しかし、運が悪く突出した成績優秀者がいれば、その限りではありません。
佐藤名人、久保王将、糸谷八段は、13勝5敗で、三段リーグを突破ができませんでした。
また、稲葉八段にいたっては、連続2回の13勝5敗でもリーグ突破ができませんでした。
更に、豊島二冠の場合、14勝4敗の好成績でも頭ハネでリーグを突破できませんでした。
藤井聡太七段の場合は、順位27位の13勝5敗で、三段リーグを突破しました。
しかし、何はとあれ三段リーグ1期抜けは、他のメンバーの実績からすれば突出しており、流石としか言いようがありません。
まぁ、どんな世界にも言える事なんですが、やはり、スターになる方と言うのは、何かを持ってるんでしょうね。
以下、参考データです。
三段リーグでの戦績
上段の上位2名が、四段昇段者です。
注)丸数字は、リーグ開始時点の順位。
注)勝敗は、リーグ戦の最終成績。
注)名前右の括弧内の数字は年齢。
佐藤 天彦 名人
第32回(2002年、後期)
② 12勝 6敗 西尾 明(23)
⑯ 12勝 6敗 島本 亮(22)
㉕ 11勝 7敗 佐藤 天彦(15)
第33回(2003年、前期)
① 15勝 3敗 村山 慈明(19)
⑱ 14勝 4敗 佐藤 和俊(25)
⑥ 10勝 8敗 佐藤 天彦(15)
第34回(2003年、後期)
⑤ 16勝 2敗 片上 大輔(22)
③ 13勝 5敗 中村 亮介(18)
⑨ 13勝 5敗 佐藤 天彦(16)
第35回(2004年、前期)
③ 14勝 4敗 村中 秀史(23)
⑦ 14勝 4敗 阪口 悟(25)
① 12勝 6敗 佐藤 天彦(16)
第36回(2004年、後期)
⑦ 15勝 3敗 広瀬 章人(18)
③ 14勝 4敗 長岡 裕也(19)
① 10勝 8敗 佐藤 天彦(17)
第37回(2005年、前期)
⑫ 13勝 5敗 高崎 一生(18)
⑬ 13勝 5敗 遠山 雄亮(25)
⑩ 12勝 6敗 佐藤 天彦(17)
第38回(2005年、後期)
① 14勝 4敗 糸谷 哲郎(17)
⑤ 13勝 5敗 中村 太地(17)
② 12勝 6敗 佐藤 天彦(18)
第39回(2006年、前期)
③ 15勝 3敗 戸辺 誠(20)
② 14勝 4敗 佐藤 天彦(18)
A級①位 羽生 善治 竜王
旧制度に基づき、四段昇段のため
三段リーグには参加していない。
A級②位 稲葉 陽 八段
第37回(2005年、前期)
⑫ 13勝 5敗 高崎 一生(18)
⑬ 13勝 5敗 遠山 雄亮(25)
㉙ 5勝13敗 稲葉 陽(17)
第38回(2005年、後期)
① 14勝 4敗 糸谷 哲郎(17)
⑤ 13勝 5敗 中村 太地(17)
㉕ 13勝 5敗 稲葉 陽(17)
第39回(2006年、前期)
③ 15勝 3敗 戸辺 誠(20)
② 14勝 4敗 佐藤 天彦(18)
① 13勝 5敗 稲葉 陽(18)
第40回(2006年、後期)
① 14勝 4敗 豊島 将之(16)
⑯ 14勝 4敗 金井 恒太(20)
② 13勝 5敗 伊藤 真吾(24)
③ 12勝 6敗 稲葉 陽(18)
第41回(2007年、後期)
⑪ 15勝 3敗 村田 顕弘(21)
① 13勝 5敗 及川 拓馬(20)
③ 12勝 6敗 稲葉 陽(19)
第42回(2007年、前期)
② 13勝 5敗 稲葉 陽(19)
⑲ 13勝 5敗 田中 悠一(22)
A級③位 広瀬 章人 八段
第32回(2002年、後期)
② 12勝 6敗 西尾 明(23)
⑯ 12勝 6敗 島本 亮(22)
㉖ 11勝 7敗 広瀬 章人(16)
第33回(2003年、前期)
① 15勝 3敗 村山 慈明(19)
⑱ 14勝 4敗 佐藤 和俊(25)
⑦ 9勝 9敗 広瀬 章人(16)
第34回(2003年、後期)
⑤ 16勝 2敗 片上 大輔(22)
③ 13勝 5敗 中村 亮介(18)
⑬ 10勝 8敗 広瀬 章人(17)
第35回(2004年、前期)
③ 14勝 4敗 村中 秀史(23)
⑦ 14勝 4敗 阪口 悟(25)
⑪ 11勝 7敗 広瀬 章人(17)
第36回(2004年、後期)
⑦ 15勝 3敗 広瀬 章人(18)
③ 14勝 4敗 長岡 裕也(19)
A級④位 佐藤 康光 九段
旧制度に基づき、四段昇段のため
三段リーグには参加していない。
A級⑤位 久保 利明 王将
第11回(1992年、前期)
⑮ 13勝 5敗 三浦 弘行(18)
㉒ 13勝 5敗 伊藤 能(30)
㉗ 13勝 5敗 久保 利明(17)
第12回(1992年、後期)
㉜ 15勝 3敗 川上 猛(20)
① 14勝 4敗 久保 利明(17)
A級⑥位 豊島 将之 王位・棋聖
第36回(2004年、後期)
⑦ 15勝 3敗 広瀬 章人(18)
③ 14勝 4敗 長岡 裕也(19)
㉘ 10勝 8敗 豊島 将之(14)
第37回(2005年、前期)
⑫ 13勝 5敗 高崎 一生(18)
⑬ 13勝 5敗 遠山 雄亮(25)
⑭ 6勝12敗 豊島 将之(15)
第38回(2005年、後期)
① 14勝 4敗 糸谷 哲郎(17)
⑤ 13勝 5敗 中村 太地(17)
㉓ 12勝 6敗 豊島 将之(15)
第39回(2006年、前期)
③ 15勝 3敗 戸辺 誠(20)
② 14勝 4敗 佐藤 天彦(18)
④ 14勝 4敗 豊島 将之(16)
第40回(2006年、後期)
① 14勝 4敗 豊島 将之(16)
⑯ 14勝 4敗 金井 恒太(20)
② 13勝 5敗 伊藤 真吾(24)
A級⑦位 深浦 康市 九段
第05回(1989年、前期)
② 13勝 5敗 畠山 鎮(20)
⑧ 13勝 5敗 畠山 成幸(20)
⑲ 11勝 7敗 深浦 康市(17)
第06回(1989年、後期)
② 14勝 4敗 丸山 忠久(19)
③ 14勝 4敗 郷田 真隆(19)
⑤ 12勝 6敗 深浦 康市(18)
第07回(1990年、前期)
④ 13勝 5敗 佐藤 秀司(23)
④ 13勝 5敗 杉本 昌隆(21)
③ 10勝 8敗 深浦 康市(18)
第08回(1990年、後期)
② 15勝 3敗 藤井 猛(20)
③ 15勝 3敗 平藤 真吾(27)
⑥ 11勝 7敗 深浦 康市(19)
第09回(1991年、前期)
③ 13勝 5敗 豊川 孝弘(24)
④ 13勝 5敗 深浦 康市(19)
A級⑧位 三浦 弘行 九段
第09回(1991年、前期)
③ 13勝 5敗 豊川 孝弘(24)
④ 13勝 5敗 深浦 康市(19)
㉕ 7勝11敗 三浦 弘行(17)
第10回(1991年、後期)
② 13勝 5敗 真田 圭一(19)
③ 13勝 5敗 飯塚 祐紀(22)
㉓ 8勝10敗 三浦 弘行(18)
第11回(1992年、前期)
⑮ 13勝 5敗 三浦 弘行(18)
㉒ 13勝 5敗 伊藤 能(30)
A級⑨位 糸谷 哲郎 八段
第36回(2004年、後期)
⑦ 15勝 3敗 広瀬 章人(18)
③ 14勝 4敗 長岡 裕也(19)
㉚ 13勝 5敗 糸谷 哲郎(16)
第37回(2005年、前期)
⑫ 13勝 5敗 高崎 一生(18)
⑬ 13勝 5敗 遠山 雄亮(25)
② 12勝 6敗 糸谷 哲郎(16)
第38回(2005年、後期)
① 14勝 4敗 糸谷 哲郎(17)
⑤ 13勝 5敗 中村 太地(17)
A級⑩位 阿久津主税 八段
第24回(1998年、後期)
㉓ 14勝 4敗 松尾 歩(19)
① 13勝 5敗 金沢 孝史(25)
㉔ 10勝 8敗 阿久津主税(16)
第25回(1999年、前期)
⑧ 14勝 4敗 阿久津主税(17)
⑬ 13勝 5敗 安用寺孝功(25)
人気棋士 藤井 聡太 七段
第59回(2016年、前期)
㉗ 13勝 5敗 藤井 聡太(13)
① 12勝 6敗 大橋 貴洸(23)